例えば相続税対策のために父親がアパートを建てるケースで考えてみましょう。このような場合、父親に相続が発生するまでは個人経営のままにしておく必要がありますが、いったん相続が発生した後はそれにとらわれるべきではありません。にもかかわらず相続人である子供がそのまま個人で経営しているケースが圧倒的に多いのです。 

 相続人である子供は一般的にまだ若いわけですから、次の相続までにはかなりの時間的余裕があります。したがって、そのような場合には毎年払っている所得税とか住民税の節税に重点を移していくべきなのです。このように、いったん組み立てた節税の仕組みというのは、
その時の状況に応じて臨機応変に再構築していく必要があるのです。





アパマンに関する税金の節税方法には様々なものがありますが、ここでは当事務所でよくやっている方法をご紹介いたします。



   不動産管理会社を設立する


  この図は「管理委託方式」ですが、他に「一括借上げ方式」もあります。
いずれを採用するかは個々のによって異なります。
いくつかの解説書を読んだ限り、入居者が賃貸料を直接父に支払うという流れ (賃借料@)になっていますが、当事務所のお客様でこのようなやり方をしているところはほとんどありません。当事務所のお客様の場合は原則として不動産管理会社に賃借料を支払ってもらい、不動産管理会社が毎月まとめてオーナーである父に支払うようにしています(賃借料Aの流れ)。


   アパートを法人に売却する


これはお父さんの所有するアパートとかマンションのうち、建物だけを法人に売却するというものです。
建物は古くなりますと帳簿価額(減価償却後の 金額)はかなり低くなっているハズです。そして、この低い金額を売買金額(時価)としても税務上問題ありません。
例えば、現在の帳簿価額が200万円、年間の家賃収入が400万円の場合(このようなケースはよくあります)、利回りは200%(400万円÷200万円)です。
いまどき200%の投資物件があるでしょうか?

地代はタダでもOKですが、固定資産税の2〜3倍の地代を授受している場合には土地の相続税評価額が20%安くなります。相続税がかなりかかる場合には、こちらのやり方をお奨めしています。


   アパートを子供に贈与する


これはお父さんの所有するアパート等のうち、建物だけを子供に贈与するというものです。
相続時精算課税制度を使うケースもあります。


   アパートを子供に売却する


これはお父さんの所有するアパートとかマンションのうち、建物だけを子供に売却するというものです。

上記でご説明しましたように、利回りが200%の物件を購入できるのです。なお、生計が同じである場合、お父さんが支払っている土地の固定資産税を子供の不動産所得の計算上、必要経費に算入できます。


  

 節税の仕組みを変えた
 ほうが良い時期の例は?

 
 
 ■相続が発生した時
 ■不動産所得が大幅に増減した時(借入金の完済時etc.)
 ■不動産所得以外の所得が大幅に増減した時(不動産の売却時etc.)
 ■家族の増減があった時(子供が結婚した時etc.)


  



長期のキャッシュフローを計算した上で最適な節税プランを考える必要がある。

単年度の損得計算だけで節税プランを実行しますと、途中から資金がショートするケースがよくあります。
そこで、必ず10年、20年といった長期のキャッシュフローを計算した上で最適な方法を見つける必要があります。



相続税がかかる場合には、それも考慮に入れたトータルとしてのタックスプランを構築する必要がある。
 
相続税というのは被相続人(亡くなった人)の所有財産に対して課税されますので、所得税が節税できたとしても納税後の残余財産が被相続人に帰属するようになっていてはその効果も半減してしまいます。
このようなことから相続税がかかる場合には他の税金も合わせたトータルとしてのタックスプランが必要とされるのです。



節税効果が高くて税務否認を受けにくい方法を取捨選択する必要がある。
 
節税の方法には実に様々なものがありますが、これらは何の問題もなく常に認められるというわけではありません。
例えば、奥さんに青色専従者給与を支払って所得分散する方法一つとっても、金額の多寡をめぐって税務否認を受けることはよくあることです。したがって各種の節税方法から税務否認を受けにくく、かつ節税効果の高いものを取捨選択する必要があるのです。なお、一般的に節税効果の高いほうから税務否認を受けやすいと考える人が多いのですが、意外にも逆のケースが多いのです。



税務否認を受けやすいもの・・・
    青色事業専従者給与、白色事業専従者控除、不動産管理会社の設立 etc.