収支の計算期間等について 

収支の計算期間
 「収支の計算期間」とは「資金収支計画書」等に表示する期間のことです。初期値は40年(1~20年と21~40年の2枚)としています。なお、このシステムでは最長60年まで計算可能です。

1年目の稼働月数
 個人の場合の所得税は原則として1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税されます(法人の場合は決算日までの1年間の所得)。
 ところが期の途中で完成・引渡しを受けた場合、その時点から12月31日までの所得に対して課税されます(法人の場合は決算日までの所得)。 そこで、このシステムでは1年目の所得および税金をより正確に計算できるように、1年目の稼動月数を入力できるようになっています。
 分かりづらいと思われる方は12カ月で計算してください。

所得税等の計算
 所得税や住民税はご承知のように不動産所得だけでなく給与所得や事業所得等、様々な所得を合算した所得に対して課税されます。
 ところが会計事務所でない限り、これらの所得はお客様から聞き出せませんので正確な税金を計算することはそもそも不可能なのです。
 そこで不動産所得のみ計算し所得税等に関しては無視して事業収支計画書を作成しているケースが多いのですが、それはそれで仕方のないことです。ただし、お客様にはその旨、説明しておかれることをお勧めします。
 なお、「計算する」を選択しますと「資金収支計画書」や「事業収支計画書」等に納税額の欄が表示されますが、「計算しない」を選択しますと表示されません。

申告書の種類
 不動産経営を始めますと、1年間の所得および税額を計算して税務署に申告することになりますが、この申告方式には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
 このうち青色申告の場合は帳簿を正確に記帳し、それに基づいて申告する人に一定の特典が与えられます。
 この特典のうち代表的なものは次の3つです。

<青色申告の場合の3つの特典>
(1)青色申告特別控除が受けられる。
一般の青色申告者 10万円
正規の簿記の原則に
従って記録している者
55万円(電子申告すれば65万円)

次の3要件を満たしている必要があります。
損益計算書と共に貸借対照表を添付すること
現金主義の特例を受けていないこと
5棟10室以上であること

(2)専従者に対する給与を経費に算入できる(ただし、5棟10室以上の場合)。

(3)純損失の繰越控除(※)が受けられる
「純損失の繰越控除」とは不動産所得の赤字を翌期以降3年間(法人の場合は10年間)まで繰り越し、黒字が生じた年度の所得と通算できるというものです。なお青色申告者になるためには「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

青色申告特別控除額
 「収支の計算期間」とは上記「申告書の種類」で青色申告を選択しますと、ここに青色申告特別控除額を入力できるようになります。初期値は「100」千円になっています。

所得税等の計算方法
 上記「所得税等の計算」で「計算する」を選択しますと、ここでいずれの方法で計算するかを選択することになります。
 ここでは3つの方法から選択できるようになっていますが、いずれの方法もメリット・デメリットがあります。
 かなり前になるのですが、当社が開発した相続対策シミュレーションシステムを販売するためのセミナーで税理士等の専門家にいずれの方法で計算するかアンケートを取ったことがあります。その結果、最も多かったのが「一定の税率を適用する」だったのです。
 その理由は税率が高くなれば何らかの節税対策を実施するので通常の税率表に基づいて計算するのは実務的ではないというわけです。
 上記「所得税等の計算」でそもそも「計算しない」を選択する方が圧倒的に多いことを踏まえますと、それほど神経質になることもありませんが・・・ 。

復興特別所得税
 2013年分から2037年分までの各年分の所得税額に対して 2.1%の復興特別所得税がかかります。このシステムではこの復興特別所得税に関して「加算する」、「加算しない」の選択ができるようになっています。
 「加算する」を選択しますと1年目から収支の計算期間で入力した期間にわたって復興特別所得税を加算します。適用期間の必要性

事業税
 事業税とは不動産の貸付け等、一定の事業を行う場合に、その所得に対して課せられる税金です。ただし、その貸付けが事業的規模に該当しない場合には非課税となります。
 ところで、この事業的規模に該当するかどうかは県によって異なりますので各自で確認してください。
 なお事業税の場合は不動産所得にストレートに税率(5%)をかけるのではなく、不動産所得から事業主控除額(290万円)を差し引いた額に対して課税されます。

資金運用利回り
 このシステムでは手元残金累計額に所定の利回り(資金運用利回り)をかけることにより資金運用益を計算できるようになっていますが、最近の運用利回りの低さから無視したほうが良いかも知れません。

資金運用対象額
 資金運用対象額として様々なケースを想定していますが、運用利回りをゼロ(0)とすれば結果的に運用益はゼロとなります。

投資分析の採用期間
 このシステムでは「初年度の収支予想および投資分析」という帳票を作成することができますが、投資分析に用いる「収入合計」、「純収益」、「資金収支」等の計算期間(採用期間)をここで入力します。ここで入力した期間により1年間の平均値を求めるようになっています。。

利回り計算の分母
 投資分析の項目として「表面利回り」、「実質利回り」、「純利回り」の計算があるのですが、これらの利回り計算時に使用される分母の金額を選択できます。