繁栄する大地主か 衰退する大地主か
のチェックシート


全部で10項目。チェックの数と衰退の度合いは連動します。
詳しくは著書で!


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では、上から3個の項目について解説しましょう


不動産は兄弟姉妹で公平に分けなきゃ・・・が なぜ、衰退に?
 
 遺産分割というと、ほとんどの方は平等に分けることばかり強調します。
 確かに普通の不動産オーナーであれば基本的にそれでいいと思いますし、私の事務所でも家族構成とか各相続人の経済状況、資産内容等々によってはキッチリと分けることも少なからずあります。

 ところが大地主さんの場合には全く違ったやり方で遺産分割するケースがほとんどです。
 つまり後継者となる相続人がほとんどの不動産を相続し、他の相続人には金融資産であるとか自宅の敷地を渡す程度です。
 あるいは不動産管理会社を設立して、そこの役員に就任してもらい給与を支給することでバランスを取るということもあります。


 その理由について少し考えてみましょう。
 もし相続において兄弟間で不動産を平等に分けたらどうなると思われますか?

  恐らくほとんどのケースで、ご自分の思い思いの考えで行動すると思います。


 例えば売却した資金で人生をエンジョイする人もいるでしょうし、そのまま保有し続ける人もいます。その時々の経済状況や人生に対する考え方の違いで様々な行動パターンに分かれるということです。
 いずれにしても本家の所有する不動産は急激に減っていきます。

 それでは特定の相続人にほとんどの不動産を相続させることにしたらどうでしょうか? 自分のものになったからといって、これ幸いと勝手に売却し無駄遣いしてしまうでしょうか?
 もちろん皆無とは言いませんが、ゼロに近いのではないかと思います。

 人間というのは自分だけが得しようとはあまり考えないものですし、無駄遣いしようにも他の兄弟が許さないでしょう。
 もし特定の承継人がほとんどの財産を相続したとしたら、むしろ減らさないように努力しようとします。

 このように一見良さそうな公平な分割というものは巨額の財産も一瞬にして失くしてしまう危険性を孕んでいるということは忘れないで下さい。

 戦後の日本民法では公平を旨として子供には原則として平等に遺産分割するよう定めています。

 これについては私も基本的に賛成なのですが、大地主の場合には一般企業と同じく事業承継という観点から別の見方をしています。
 というのは先祖から代々受け継いで来た土地というものは多くの場合、できるだけ減らさないで次の世代にバトンタッチすることが期待されているからです。
 
 できるだけ減らさない

にもかかわらず今は公平に分配することが当然のような風潮にありますので、こうした考え方を他の相続人に納得してもらうことが大変難しくなっています。

 なお、土地というものは私有財産が認められているからといって全く個人の自由にしていいというわけではありません。
 草ボウボウでは美観的にも好ましくないですし害虫が発生する可能性もあります。

 建物にしても空き家のまま放置していることは火災とか犯罪の可能性を高めますし、土地と同様、美観上も大いに問題です。

 最近、農地の耕作放棄地が増えていますが、このようなことは望ましいことではありません。
 農地所有者としての当然の義務を果たさないのなら何らかのペナルティーを科すべきではないかと思います。

ぐずぐずしていていて、親が認知症になってしまう前に対策を!
 
 ところで、もし本人が認知症になり正常な判断能力が失われたら、その瞬間から法律上も税務上も一切の対策を講ずることができなくなります。

 例えば相続税対策として駐車場になっている土地にアパートを建てようと考えていたとしても、認知症になったら基本的に何もできなくなります。

 もし相続人が本人に代わって工事請負契約書にサインしてもそれは本人の行為としては認められません。
 あくまで相続人が施主としてサインしたことになるのです。
 つまり税務上は相続人が親の土地を借りてアパートを建てたという取り扱いになってしまうということです。これでは相続税対策にはなりません。
 親の土地を借りて

 そうしたことから相続税がかなりかかる場合で、まだやり残していることがあるのであれば、何はさておき不動産経営に関する諸々の業務を後継者に委託する家族信託契約書を交わされることをお勧めいたします。

 何をさておき!

 認知症になってしまったら家族信託の契約自体できなくなってしまうからです。

 ところで認知症になった場合の対策として成年後見制度がありますが、これだと後見人は現状を維持するためだけの財産管理しかできません。

 例えばアパートの管理はできるが、アパートを建てるとか収益不動産を購入するといったことは一切できないのです。

 一方で成年後見人の場合には財産管理以外に身上監護もできますが、家族信託の場合には権限が財産管理に限定されていますので実務上は両方の制度を併用することが多いです。


<家族信託と成年後見制度との違い>

項 目 家族信託の受託者 成年後見人
権限の内容 財産管理のみ可(身上監護は不可) 財産管理、身上監護とも可
財産管理の範囲 信託目的の範囲内であれば積極的に運用・処分することも可能 財産を積極的に運用・処分することは不可。あくまで現状の財産を維持することしかできない


「とにかく借金だけは嫌だ」で衰退へ・・・の理由
 
 皆様方は、「自己資金で建てようが借金して建てようが相続税の節税効果は同じです。」というフレーズを聞かれたことはないでしょうか? 
  確かに自己資金で建てようが借金して建てようが対策後の相続評価額は同じです。

 例えば金融資産を3億円所有している大地主さんがいたとします。
 この3億円を使ってマンションを建てた場合と借金してマンションを建てた場合のそれぞれの純資産の額は次のようになります。



<自己資金で建てた場合と借金して建てた場合の比較>(単位:千円)

項 目 建設前 自己資金で建設 借金して建設
金融資産
建物
土地
借入金
300,000
0
500,000
0
0
105,000
395,000
0
300,000
105,000
395,000
△300,000
純資産 800,000 500,000 500,000
※計算過程は省略。

 いずれも純資産は5億円です。
 建設前は8億円ですから3億円ほど評価が下がっていますが、これではまだかなりの相続税がかかります。

 そこでもう少し規模を大きくしてみましょう。

 仮に建築費を10億円としてみます。
 自己資金が3億円しかないので当然ながら不足分は借金する必要がありますが、一部自己資金で建てようと全額借金して建てようと節税効果は同じなので、ここでは全額借金して建てたと仮定します。
 次をご覧下さい。

<建築費を10億円とした場合>(単位:千円)

項 目 建設前
金融資産
建物
土地
借入金
300,000
350,000
395,000
△ 1,000,000
純資産 45,000

  3億円のケースと比較すると建物と借入金の額が違っています。

 3億円の場合の建物評価額は1億500万円ですが、こちらは3億5,000万円となっています。

 そして全額借金するので借入金は10億円となります。その結果、資産から負債を差し引いた純資産の額は4,500万円まで下がりました。
 この額から基礎控除額を差し引くわけですが、例えば相続人を3名としますと4,800万円(3,000万円+600万円✕3人)になりますので相続税はかかりません。

 いかがでしょうか。

 この事例のように相続税をウンと安くしようとするとどうしても借金せざるを得ないのです。

 もちろん以上は議論を分かりやすくするために非常に単純化しています。
 実務では当然ながらもっと複雑になります。
 物件数も多くなりますし収支もキッチリとシミュレーションする必要がありますが、基本的な考え方はそれほど変わりません。

 私は今まで数多くの相続対策の提案をしてきましたが、この借金という恐怖から対策を実行できずに終わったケースを何度も経験してきました。
 一方で果敢にリスクを取って財産を減らすどころか逆にドンドンと増やしているオーナーもたくさんいます。
 所有している不動産の内容によっては必ずしも借金することをお勧めするわけではありませんが、どう考えても問題ないと思っても躊躇してしまう方がいらっしゃいます。


 そういう方は残念ながら少しずつ「衰退する大地主」の仲間入りをすることになります。

 借金をしなければ後は莫大な額の相続税が待っているのです。そして見返りがない分、相続税のほうが実は大変なのです。

 「前門の虎、後門の狼」ではありませんが、大地主であり続けるためにはこうした試練を乗り越えなければならないということです。

 だからといって借金を強制するものではありません。借金することで生きている気がしなくなる方も現実にはいらっしゃるからです。



CASE1 アパート2棟のうち1棟を奥さんに売却して、年間140万円の節税になった。


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 ご提案した対策の内容

アパート2棟のうち、1棟を奥さんに売却する。


 対策を実行した節税効果

税額(所得税+住民税の合計、10万円未満四捨五入)は?


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アパート1棟を奥さんに売るだけで、これだけの節税になるのです。

税金が高くなったと感じたら是非実行しましょう!


CASE2 貸ビル(建物のみ)を新設法人に売却して、年間180万円の節税になった。


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 ご提案した対策の内容

貸ビルを新設法人に売却する(建物のみ)。

なお、新設法人の社長には奥さんが就任する。


 対策を実行した節税効果

税額(所得税+住民税の合計、10万円未満四捨五入)は?


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貸ビルの場合には建物に係る消費税を還付請求できる場合もあります。


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